2009/10/13 国立がんセンター院長勉強会メモ

 新型インフルエンザとがん患者―ワクチン問題を考える

【プログラム】
新型インフルエンザの諸問題」厚生労働省医系技官 木村盛世            
「日本におけるワクチン・ギャップ」細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会事務局長 高畑紀一
「総合討論」木村盛世、梅村聡(参議院議員)、鈴木寛参議院議員)、足立信也参議院議員)、高畑紀一

【センター長挨拶】
・勉強会当日の時点で、新型インフルエンザワクチンはセンターに100人分きている(医師数200?)
・前線で働く医師だけに限定しても足りない

【本題】
新型インフルエンザの諸問題」厚生労働省医系技官 木村盛世
・新フル発生当時の空港検疫(水際作戦)について
 →空港での検疫はサーモグラフィーで行っている。発熱患者をみつけることが目的。
  潜伏期間のある疾患は、物理的に無理=インフルエンザはやるだけ無駄。
 →そもそも水際作戦とは
  ペスト=水際作戦のオリジンか?結局効果なし
  スペインかぜ=オーストリアで実施したが結局効果なし
  歴史的に感染症に対して成功したためしがない

 →検疫法ができたころ
  チフスコレラの時代
  今=流行する感染症自体が違う
    空に国境なし
    バイオテロの時代
  水際作戦は過去から学んでいない 学校閉鎖・集会自粛も効果なし(?)

 →今回検疫を実施したのは日本と中国だけ(建前上サーモグラフィーを設置した国はあったが)
  中国は世界各国から非難 残るは日本

 →感染症world cup
  日本の感染症対策のダメさ加減が露呈した
  WHOはhealth securityを唱える=時代は「健康」だけではない
  この国はオウム事件から何を学んだ?

 →今回の対策が生んだもの
  1)政府のパニック
  2)医療崩壊加速
  3)インフルエンザに対する差別
  4)タミフル耐性インフルエンザの危険
  5)経済活動への負の効果(数千億円ともいわれる)

 →国がすべきだったこと
  ウィルス発生が人為的なものか、自然のものか見極め、できるだけ拡げないようにすること